業務を効率化しようと決めたとき、次に迷うのが「どうやって実現するか」です。自分でスプレッドシートを組むのか、既製のソフトを契約するのか、それとも誰かに作ってもらうのか。
それぞれに良し悪しがあって、ネットで調べても「結局うちはどれがいいの?」という答えにはなかなかたどり着けません。高いお金を払って外注したのに持て余したり、無理に自作しようとして時間だけが過ぎたり——選び方を間違えると、効率化のための準備で消耗してしまいます。
今回は、自作・既製ツール・外注という3つの選択肢を整理して、自社に合う選び方の判断軸を紹介します。
3つの選択肢、それぞれの性格
まず、3つの選択肢がどういう性格を持っているのかを整理します。優劣ではなく、向き不向きの話です。
自作する
ExcelやGoogleスプレッドシートで自分(または社内)で組む方法です。
良いところは、コストがほぼかからないこと、そして自分たちで自由に直せること。業務の変化に合わせてすぐ調整できます。
難しいところは、作る人のスキルと時間が必要なこと。複雑な計算や自動化をやろうとすると、関数やプログラムの知識が要りますし、本業の合間に作るとなかなか進まないこともあります。
既製ツールを使う
請求・会計・在庫など、目的に特化した市販のソフトやサービスを契約する方法です。
良いところは、すぐ使い始められて、法改正などにも自動で対応してくれること。多くの会社で使われているぶん、安心感もあります。
難しいところは、月額費用がかかり続けること、そして自社の業務に合わない部分があっても基本的には変えられないこと。機能が多すぎて持て余す場合もあります。
外注する
自社の業務に合わせて、専門の人にツールを作ってもらう方法です。
良いところは、自社の業務にぴったり合ったものができること。使わない機能に悩まされず、必要な部分だけを形にできます。
難しいところは、初期費用がかかること、そして作ったあとの修正にも費用と時間がかかること。気軽に何度も直す、という使い方には向きません。
選ぶときの3つの判断軸
では、自社にとってどれが合うのか。私はいつも、次の3つの軸で考えます。
① 業務がどれくらい「自社特有」か
一般的な業務(ごく標準的な請求や会計など)なら、既製ツールがよく合います。多くの会社と同じやり方で済むからです。
逆に、独自の計算ルールや、特殊な業務フローがあるなら、既製ツールでは届かないことが多い。その場合は自作か外注が候補になります。
② どれくらいの頻度で変更が入りそうか
業務のやり方が頻繁に変わるなら、自分たちですぐ直せる自作が向いています。外注だと、変更のたびに費用と時間がかかってしまうからです。
逆に、いったん作れば長く使う見込みなら、外注でしっかり作る価値が出てきます。
③ かけられる予算と時間
初期費用を抑えたいなら自作、毎月の費用を読みやすくしたいなら既製、初期にまとまった投資ができて長く使うなら外注。コストの「かかり方」がそれぞれ違うので、自社の事情に合わせて選びます。
組み合わせるという考え方
実は、3つのうち1つに絞る必要はありません。組み合わせるのが現実的なこともよくあります。
たとえば、会計のような標準的な業務は既製ツールに任せ、自社特有の集計だけスプレッドシートで自作する。あるいは、土台は外注でしっかり作ってもらい、日々の細かい調整は自分たちでできるようにしておく。
実際、私が依頼を受けるときも、「全部を作る」とは限りません。「この部分は既製ツールのままでいいですよ」「ここは自分たちで運用できますよ」とお伝えすることもあります。必要なところだけを補えば、コストも手間も抑えられるからです。
大事なのは、「どれか1つが正解」と決めつけないこと。業務ごとに向いている方法は違うので、部分ごとに最適な選択肢を当てはめていく——そう考えると、ぐっと選びやすくなります。
まとめ
自作・既製ツール・外注は、どれが優れているという話ではなく、業務との相性で選ぶものです。「自社特有の業務か」「変更がどれくらい入るか」「予算と時間」という3つの軸で考えると、自社に合う方法が見えてきます。
そして、1つに絞らず組み合わせるのも有力な選択肢です。標準的な業務は既製ツール、特有の部分は自作や外注、というように使い分ければ、無駄なく効率化を進められます。
「うちの業務だと、どれを選ぶのが良いか判断がつかない」と感じたら、お気軽に相談してもらえればと思います。業務の中身を一緒に見ながら、どこを自作し、どこを任せ、どこは既製のままでいいのか——無理のない組み合わせを考えるところからお手伝いできます。