リハカルクを公開|臨床計算・評価をスマホで

リハカルクを公開|臨床計算・評価をスマホで

PT・OT・ST向けの無料臨床計算ツール集「リハカルク」を公開しました。計算・評価スケールの採点から記録用紙の印刷、PNG保存まで、スマホやPCのブラウザで利用できます。

臨床で評価や記録をしていると、「このカットオフ値はいくつだったか」「歩行速度の計算式はどれだったか」と確認のために手が止まることがあります。紙の評価用紙、電卓、ストップウォッチ、検索画面を行き来する小さな手間も、件数が重なると無視できません。

そこで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職が、スマホやPCからすぐ使える臨床計算ツール集「リハカルク」を公開しました。インストールや会員登録は不要で、無料で利用できます。

リハカルクを使ってみる →

リハカルクとは

リハカルクは、臨床でよく使う計算・測定ツールと検査・評価スケールを一つにまとめたWebサイトです。ブラウザ上で数値入力や採点を行い、その場で結果を確認できます。

リハカルクのトップページ。計算・測定ツールと検査・評価スケールを一覧から探せます
リハカルクのトップページ。計算・測定ツールと検査・評価スケールを一覧から探せます

運営している私自身、理学療法士として13年間臨床に携わってきました。現場で実際に「すぐ確認したい」「計算間違いを減らしたい」と感じてきた場面をもとに、必要な道具を少しずつ追加しています。

計算結果や採点結果は医療判断そのものを代替するものではありません。専門職が評価を進めるときの、計算・採点・記録作成を補助する道具として設計しています。

公開した背景

リハビリの現場では、一つの評価を終えるまでに複数の道具を使うことがあります。歩行時間はストップウォッチで測り、速度は電卓で計算し、基準値は資料やWebで確認する。認知機能やADLの評価では、紙の用紙に記入して合計点を出し、その結果をカルテへ転記します。

一つひとつは難しい作業ではありません。しかし、外来・病棟・訪問・通所のように時間が限られる場面では、道具を持ち替えたり資料を探したりする時間が積み重なります。計算や合計点の確認に意識を取られると、対象者の動きや反応を見る時間も減ってしまいます。

そこで、「測る・入力する・結果を見る・記録用紙を作る」までを、できるだけ一つの画面で進められる形にしました。すべてを自動化するのではなく、機械に任せられる計算や集計だけをWebツールに任せる考え方です。

主な機能

  • 臨床計算・測定ツール:BMI、カルボーネン法、年齢、TUG、10m歩行、6分間歩行などを計算・判定
  • 検査・評価スケール:HDS-R、BBS、Barthel Index、SPPB、GCS・JCSなどを画面に沿って採点
  • タイマー機能:TUGや10m歩行、立ち上がりテストなどをサイト内のタイマーで測定
  • 記録用紙の出力:採点結果をA4用紙として印刷し、PNG画像として保存
  • 記録セット:複数の検査結果を対象者ごとにまとめ、あとから一括で確認・出力
  • スマホ・PC対応:インストール不要で、院内PCや訪問先のスマホから利用

計算・測定ツールをすぐに使える

トップページには、臨床で使う機会の多いツールをカテゴリ別に並べています。検索欄やタグから目的のツールを探せるため、メニューを何階層もたどる必要はありません。

TUG、10m歩行、6分間歩行では、測定値を入力すると速度や予測値、参考となる基準との比較を表示します。BMIやカルボーネン法、年齢計算など、ちょっとした確認に使う計算も同じサイトから開けます。

TUGの測定時間を入力し、判定と参考値を確認できる画面
TUGの測定時間を入力し、判定と参考値を確認できる画面

歩行系や立ち上がり系の一部ツールにはストップウォッチも組み込みました。スマホの時計アプリへ切り替えず、測定から結果確認まで同じ画面で進められます。

検査・評価スケールを画面に沿って採点できる

HDS-R、BBS、Barthel Index、GDS-15、SPPB、SARC-F、FAB、NIHSS、VASなどの検査・評価スケールにも対応しています。項目を一つずつ確認しながら進め、選択内容から合計点を自動計算します。

HDS-Rの項目を画面に沿って入力し、自動採点できる画面
HDS-Rの項目を画面に沿って入力し、自動採点できる画面

長い評価表を一画面に詰め込まず、現在の項目に集中できる構成にしています。項目番号から前の設問へ戻れるため、回答を確認して修正することも可能です。

MMSEの設問全文など、利用条件への配慮が必要な検査については、原版をそのまま転載せず項目名と配点を中心にした簡略表示にしています。各ツールには参考文献や注意事項も掲載し、判定結果だけが独り歩きしないようにしました。

記録用紙を印刷・PNG保存できる

採点や計算が終わったら、結果をA4の記録用紙として表示できます。ブラウザの印刷機能から紙へ出力できるほか、PNG画像として保存することも可能です。

氏名・検査者・特記事項は必要な場合だけ入力できます。入力しなければ空欄のまま用紙を作れるため、施設の運用に合わせて手書きで追記する使い方もできます。

結果画面をそのままスクリーンショットするのではなく、印刷用に整えたレイアウトを別に用意しました。紙カルテに綴じる、院内の記録へ添付する、説明用資料として保存するといった場面を想定しています。

複数の結果を記録セットにまとめられる

一人の対象者に対して、TUG、BBS、Barthel Indexなど複数の評価を行うことがあります。リハカルクの「記録に保存」を使うと、必要な結果を記録セットへ一時的にまとめられます。

複数の検査結果を対象者ごとにまとめて印刷・保存できる記録セット画面
複数の検査結果を対象者ごとにまとめて印刷・保存できる記録セット画面

記録セットは、まとめて印刷したいときや、評価結果を続けて確認したいときに使えます。保存先は利用中の端末のブラウザ内で、不要になった記録は画面から削除できます。

入力データをサーバーへ送らない設計

医療・介護の現場で使う道具として、入力データの扱いには特に注意しました。リハカルクの計算・採点処理はブラウザ内で完結し、入力した測定値や氏名を計算のためにサーバーへ送信しません。

氏名、検査者、特記事項などの任意項目は、通常はページを開き直すとリセットされます。利用者が明示的に「記録に保存」を押した場合だけ、その端末のブラウザ内へ一時保存します。

クラウド型の患者管理システムではなく、現場で必要な計算・採点・記録作成を補助するツールです。個人情報を継続的に管理する用途ではなく、施設のルールに従い、必要に応じてイニシャルなどを使ってください。

使用技術と使いやすさの工夫

サイトはNext.jsで開発し、Cloudflare Pagesで公開しています。画面はスマホ、タブレット、PCに合わせて表示が変わるため、専用端末やアプリのインストールは必要ありません。

現場で迷わず使えるよう、入力欄はテンキーを開きやすくし、判定結果は正常域・注意域・リスク域を色で見分けられるようにしています。日本語入力中の誤操作や、画面を戻ったときに複数のモーダルが一度に閉じる問題など、細かな操作感も調整しました。

評価用紙はA4一枚に収まることを基準に整えています。画面上では端末幅に合わせて縮小表示し、印刷時には実寸へ戻すことで、スマホからでも仕上がりを確認しやすくしました。

現場での使い方

  • 外来リハ:TUGや10m歩行をその場で測定し、結果と参考値を確認する
  • 病棟・回復期:HDS-R、BBS、Barthel Indexなどを採点し、記録用紙を印刷する
  • 訪問リハ:スマホから年齢、歩行速度、運動強度を確認する
  • 通所・デイサービス:CS-30や片脚立位を計測し、結果を利用者へ説明する
  • 新人教育:評価項目やカットオフ値、採点の流れを確認する

よくある質問

Q. 利用料金や会員登録は必要ですか?

現在は無料で公開しており、計算・採点ツールを使うための会員登録も不要です。ブラウザでサイトを開けば利用できます。

Q. スマホでも印刷できますか?

スマホから記録用紙を表示し、端末の印刷メニューや共有機能を利用できます。PNG保存にも対応しているため、印刷環境がない場所では画像として保存できます。

Q. 入力した患者情報はクラウドに保存されますか?

計算や採点のためにサーバーへ送信することはありません。記録セットへ明示的に保存した内容だけが、使用中の端末のブラウザ内に残ります。

Q. 表示された結果だけで臨床判断できますか?

リハカルクは計算・採点・記録を補助するツールです。診断や治療方針を決定するものではありません。各検査の原典や所属施設の運用も確認し、最終判断は専門職が行ってください。

こんな方におすすめ

  • 評価のたびにカットオフ値や基準値を検索しているPT・OT・ST
  • 紙の評価用紙、電卓、ストップウォッチを行き来する手間を減らしたい方
  • 訪問や外来で、スマホからすぐ使える臨床ツールを探している方
  • 採点後の記録用紙までまとめて作成したい方

リハカルクは、臨床判断を置き換えるのではなく、その前後にある計算・採点・記録の手間を少し軽くするための道具です。今後も現場で使う機会の多い評価や計算を追加し、使いやすさを改善していきます。

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医療・介護現場向けのWebアプリ制作や、紙・Excelで行っている業務の見直しもお手伝いしています。同じような手作業を仕組みに変えたい場合は、状況の整理からお気軽にご相談ください。

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